メジャートランキライザーとマイナートランキライザー


断薬にはルールがあります。そのルールをまとめたものに『アシュトンマニュアル』というものが存在します。しかしアシュトンマニュアルは画期的ではあったものの、内容には不明瞭な部分も多く実用的ではありませんでした。それに、そもそもアシュトン教授って誰なのだろう、という信頼性に対する疑問もあります。

なので、このサイトではアシュトンマニュアルの話は扱いません。その代わり断薬経験者である私の、私なりのやり方を記す事にします。ここで書かれる事柄は、ネット上にある信頼性がまったくない多くの情報のうちの一つなのだということに注意してください。

精神科の治療を受けている人は多くの場合多剤処方になっていることでしょう。まずはその薬の内容を吟味しましょう。精神科の薬には大きく分けてメジャートランキライザーとマイナートランキライザーがあり、それに抗うつ薬、気分安定薬、睡眠薬など(その他にもあります)が続きます。

メジャートランキライザーというのは抗精神病薬のことで、主に統合失調症の治療に使われる薬です。ですが、重いうつ病や自閉症などにも適応外で処方されている場合がある事に留意してください。

抗精神病薬はたいへん強い薬なので、断薬は困難な場合があり、そもそも病気再発を抑える意味では勝手に断薬してはいけない類の薬です。一方マイナートランキライザーというのは抗不安薬、精神安定剤といった比較的弱い薬のことを言います。ですが、このマイナートランキライザーにこそ断薬が最も困難だと言われるベンゾジアゼピン系の薬が多くあるのです。弱い薬だと思って侮ってはいけません。(抗うつ薬も多くがベンゾジアゼピン系です)

薬の強さを図る指標として『CP換算』というものがあります。CPというのはクロルプロマジンの略で、クロルプロマジンというのは精神科医療初期の頃に使われた最も基本的な薬の事です。CP換算が1だった場合、それはクロルプロマジンと同程度の強さの薬という事であり、CP換算が100だった場合、それはクロルプロマジンの100倍の強さを持つ薬だと言うことになります。

100倍というと『そんなバカな!』と思うかもしれませんが、今の精神科で処方されている薬で、特にメジャートランキライザーに属する薬ではよくある数字です。これはとても強い薬なので、先述の再発防止の意味も考え、断薬は後回しにすべきです。まず最初に断薬すべきなのはマイナートランキライザーの方です。

マイナートランキライザーは多くの場合、複数の薬を一度に処方されていると思います。一つ一つはCP換算が数十程度の弱い薬ではありますが、これが多剤処方されていることで、日常生活に悪影響が出るほど多くの副作用に見舞われているのが常です。これを減らさなければいけない。弱い薬だと侮らず、まずは外堀から埋めていきましょう。

これを止めてしまって大丈夫なのかという心配があるかもしれませんが、強い薬が残っているならまず問題になりません。メジャートランキライザーに属する薬は、基本的に単剤処方で効果を発揮するように作られています。少なくとも製薬会社はそう想定した上で薬を販売しています。医師はこれを治療の軸に据え、まわりをマイナートランキライザーで埋めることで、いわば効果の微調整をしているのです。しかしこの方法で調整することはベネフィット(効能)よりリスク(副作用)の方が大きく、日本以外の国では推奨されていない使用法です。

断薬するなら、まずはマイナートランキライザーを切りましょう。

🔙 統合失調症サバイバー

投稿者:

長門志気

統合失調症で苦しんできたが、今は全ての症状が無くなり、ようやく穏やかな暮らしを送れる様になった。今後は衰えた体力と知力を取り戻していきたいと思う。統合失調症 / 禁煙・減薬継続中 / 放送大学・全科履修生 / 将棋初段 / Ingress RES A8 / Pokémon GO TL27