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ステイホーム習慣で表面化した依存症問題

COVID-19による緊急事態宣言とステイホーム週間。これは大変な事態なようにも聞こえるが、要はただ家にいればいいだけの話なのだ。ただ家にいる。それだけの事がなぜ出来ないのか。連日報道されるニュースを見ると呆れ返るばかりだ。パチンコ屋にできる長蛇の列。風俗店に通い詰める国会議員。そういった社会の問題点がCOVID-19の流行で表面化し、社会問題化した。

パチンコと風俗店には共通点がある。それはどちらも法の網をすり抜けるグレーゾーンの施設である点、そして両者ともある種の依存症患者をカモにして利益を上げている施設であるという点だ。世界基準で判断すればパチンコ店は賭博場、風俗店は売春宿である。当然規制対象となるべきはずの施設であることは明確だが、それが何故かこの国では黙認され、事実上合法化された状態で維持されている。まあ、これには一筋縄では行かないかなり複雑な事情が絡むのでこれ以上は話さないが、私は統合失調症患者として、依存症患者にだけは寄り添っていたいと思う。そして依存症患者がカモにされている現状には怒りを抑えきれない。

もはや説明するまでもないが、パチンコ店に行列していた人たちはギャンブル依存症患者であり医学的には治療対象者である。緊急事態宣言が出ている中にも関わらず風俗店行く人もおそらくセックス依存症で、昔の言葉で言うところの「色気違い」である。彼らをなるべく早く医療につなげ、それを搾取する施設は早期に規制する。こんな中学生でも分かりそうなことが分からず、なぜ手付かずのまま問題が放置されているのか、私は理解に苦しむ。

タバコ依存も同じだ。緊急事態宣言が出たあとは多くの喫茶店が店を閉めた。喫煙場所を失った喫煙者たちはこぞってコンビニの灰皿の前に屯するようになったのだ。私もその姿を何度もこの目で見ている。タバコぐらい家で吸えばいいと思うかもしれないが、このステイホーム習慣では妻や子供なども家にいることから「タバコ臭い!家で吸わないで!」と言われて、喫煙者はタバコ難民のようになってコンビニに押しよせてきたのだろう。

もっと言えばリモート飲み会なるものをやっているのもアルコール依存症の一種であろう。そこまでして酒を飲みたいなら一人でのんびり飲んでいればいいじゃないか。にも関わらずテレビ電話やオンライン会議システムを使ってまで擬似的に飲み会を開くというのはやはり常軌を逸した行為であると言わざる得ない。

依存症の恐ろしいところは本人にその自覚がないところだ。リモート飲み会をやっている人たちも、まさか自分が依存症の世界に片足を突っ込んでいるとは夢にも思っていないだろう。当の本人は「最先端の流行に乗っている」くらいの認識なはずだ。ステイホーム習慣で表面化した依存症問題だが、意外と深刻であるという実態が浮かび上がってきたように思う。