統合失調症患者はひきこもりにはカウントしないというのが医学上の定義らしい。でも私の実生活上のライフスタイルはまぎれもなくひきこもりスタイル。なので私の今の状態は、ほとんどひきこもりのようなものだと言って良いだろうと思う。
私の統合失調症歴は20年を超える。なのに一度も寛解の診断が出ない。それはなぜかと言うと、寛解の基準というのが医学的に存在し、私がその基準を満たしていないからだ。
PANSS (Positive and Negative Syndrome Scale)
陽性・陰性症状評価尺度< 陽性尺度 >
妄想・概念の統合障害・幻覚による行動・興奮・誇大性・猜疑心 ・敵意< 陰性尺度 >
情動の平板化・情動的ひきこもり・疎通性の障害・受動性意欲低下による社会的ひきこもり・抽象的思考の困難・会話の自発性と流暢さの欠如・常同的思考< 総合精神病理評価尺度 >
Wikipedia
不安・罪責感・緊張・衒奇症と不自然な姿勢・抑うつ・運動減退・非協調性・不自然な思考内容・失見当識・注意の障害・判断力と病識の欠如・意志の障害・衝動性の調節障害・没入性・自主的な社会回避
医者曰く、PANSSというのがそれで、私はその中にある基準のうちの一つ「意欲の低下、社会的ひきこもり」という項目を今だに改善しきれていないから寛解の診断が出ないのだそうだ。でも、実はこの項目を改善するのは簡単で、作業所などの福祉施設へ3ヶ月から6ヶ月のあいだ通うことができれば、ただそれだけでOKなのだという
今年はちょうど親戚からも「アルバイトをしてみたらどうだ?」みたいな話があり、「アルバイトはハードルが高いから作業所へ行くよ!」という流れになっていた。なので、主治医から作業所や福祉施設のパンフレットをいくつも貰い、この「社会的ひきこもり」の状況を打破すべく、動き始めたところだった。
なのにそれがコロナウィルスのせいで全部ダメになってしまった。
作業所は軒並み閉鎖され、現時点では再開の目処が立っていない。仮に再開したとしても私のような新規の人間を受け入れてくれるかどうかは分からない。
私は作業所へ行くという心理的負担から手足の痺れという今までにはなかった症状に見舞われ、それを抑えるための薬が新たに増えたりした。それでも私は「薬を飲んででも無理して作業所へ行こう」「頑張って現状を変えよう」と意気込んではいたのだが、その勢いがこのコロナ騒動で挫かれてしまったというのはとても大きな痛手だった。
ちなみに便宜上、簡単に「作業所」と記述してきた施設であるが、実際にはもっと仰々しい名前がついている。正式には「就労移行支援事業」とか「就労継続支援事業」、さらにはA型やB型といった括りもあるという、国の制度に法ってできている施設だ。
で、ここは障害者の自立のための訓練施設であり、利用にあたっては利用期限というのも課されている。今回のコロナの自粛期間でその利用期限を無駄に奪われてしまっている人というのも現状では多く居ると思われるので、そういう仲間(私と同じ病気の人)たちへの救済策みたいなものも、政府には検討してもらいたいところだ。
でもこの国では他の障害者と比べて精神障害者に対する扱いはまだまだ酷い。望みは薄いだろうな。