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クソ雑魚回線

インターネット

とにかく我が家のクソ雑魚回線をどうにかしなくては。そんな焦りが日に日に強まっていった。

我が家は長らくジェイコムというケーブルテレビ会社のインターネット回線を利用し続けてきたのだが、この会社、ネットの評判を調べると様々なサイトであることないことがボロクソに書かれているという始末で、不安は増すばかり。

ネット速度が遅いという事はもちろんのこと、そもそも回線自体がよく止まるというのが最大の問題。特にオンラインゲームで回線が切断されるというのが致命的であり、他にも動画や音楽のストリーミングが途切れるという日常も、かなりストレスフルなものだった。

そんな中、コロナでの自粛生活も始まり、リモートワークとなった弟のPC環境に多大な悪影響が出続けたことから、ついに我慢は限界に。重い腰を上げ、問題の解決を図ることにした。

そもそも、元から我が家の暮らしはインターネットに高く依存していた。

私も弟も大学では情報学を学んだ生粋のインターネット時代の人間なのだ。我ら兄弟の日常は、テレビの代わりにユーチューブを見て、オンラインゲームをし、映画も音楽もストリーミングサービスを利用するというもの。それはコロナの時代が始まるよりもずっと前から10年以上に渡って続けられてきたスタイルだ。だからインターネットの回線品質というのは我が家のQOL(クオリティーオブライフ・生活の質)に直結する重大な問題であるし、そこにずっと不便が生じ続けていたというのは、我ら兄弟にとっては不愉快な問題以外のなにものでもなかった。

試行錯誤の日々

そんな中でも私なりにいろいろ工夫は試みた。Wi-Fiの環境を整えるために様々なルーターを試したり、メッシュネットワークを構築してみたり、PLC(電力線通信)というのを試したこともあった。でも、そもそもケーブルテレビ会社のインターネット回線の品質が問題な訳だから、その大元が改善しない限りは、何をどうしても「焼け石に水」という状態なのは変わらない。

だがいろいろな事を試みているうちにネットワークについての知識は深まった。

ちょっと話は逸れるが、過去使っていて一番興味深かったものにGoogle Wi-Fiというルーターがあった。これは複数の端末を繋いでメッシュネットワークを構築するという最新の機能を備えたルーターで、発売初日に購入したほどの、私のお気に入りの品だった。最初は3台の端末でメッシュネットワークを構築し満足していたが、これがあまりに快適だったのでさらに2台を中古で買い足し、一時期は5台体制でネットワークを構築していたこともあった。

狭い戸建ての一軒家でなぜそんなにたくさんの台数が必要だったのかというと、この家の造りというか、構造にそもそもの問題があったからなのだ。単体のルーターではどこをどうやっても家の端まで電波が届かない上、電波の届きづらい死角となる場所も出来てしまい、Wi-Fi環境を構築するにあたってはかなりの工夫が必要になった。

しかも、マズイことに家のちょうど中心にあたる場所には電子レンジが設置されているものだから、2.4GHz帯のWi-Fiが電子レンジの使用中には止まるという、とんでもない問題もあった。

Google Wi-Fiはそれを回避するためのメッシュネットワークであり、個々のルーターのメッシュ化は通常の無線ではなくて、先述のPLCアダプターを介して事実上の有線化を図るなど、かなりトリッキーな運用方法も編み出されたりした。

ゲーミングルーターの登場

そして、その結果出来上がった5台体制のGoogle Wi-Fiのメッシュネットワークは、我が家に異次元の快適さをもたらした訳なのだが、まさかこの世にこれを超えるものがあるとは思わなかった。後に私の中の無線ネットワークの概念を塗り替えた革新的ルーターとの出会いがあったのだ。それがASUSのゲーミングルーターだ。

今書いてきたように、我が家には家の構造上の問題で電波が届かない死角が存在していた訳だったが、ある日、試しにゲーミングルーターに取り換えてみたところ、そのゲーミングルーター単体で死角にも電波が無事に届くということが判明したのだ。これには呆気にとられたというのが正直な感想。

Wi-Fiの電波というのは最大出力が法令によって定められているため、ゲーミングルーターだからといって特別に高出力な電波が出ているという訳ではない。ではこれの何が違ったのかというと、ズバリ「アンテナの品質」なのだろう。ゲーミングルーターはアンテナの品質と本数が段違いに優れていたということだ。

で、ASUSのゲーミングルーターが来てからは、今まで使っていた我が家のGoogle Wi-Fiには引退していただき、機器のいくつかは中古品として手放してしまった。我が家のWi-Fi環境はすぐさまこのゲーミングルーターに置き換えられた訳だ。

光回線を導入する

これでめでたしめでたしかと思っていたら、やはり肝心のケーブルテレビ回線そのものが止まるという問題は、当たり前のように引き続き残ってしまった。

仕方がないので、遂に私は重い腰を上げ、ケーブルテレビ契約を変更、回線を光回線化するために動き出し始めたのだった。

立ちはだかる問題

ケーブルテレビの契約を変更するには契約者本人でなければならない。

しかし我が家の契約は、別居中で家に居ない父の名義で契約されてしまっているため、自分たちで容易には変更ができないという、なんとも不憫な状況に陥ってしまっていた。サポートセンターにメールを送ったり、電話で事情を話してもこの問題は解決しなかった。なので気は重かったが、父のもとへ赴いて、変更の手続きとそれに必要な身分確認のための書類を揃えてもらうよう頼むことにした。

その後、父から得た書類で無事に手続きを完了し、ケーブルテレビ会社の契約名義を父のものから自分のものへと根本的に変更する事が叶った。

この名義変更のおかげで、今後は我が家のネット回線について、ネットに詳しい私自身が、私の権限において、契約に適宜変更を加えることが出来るようになったのだ。これで念願の光回線化へ踏み出せる。ここまで長かった。

今回こういうことをやってみて思ったのは、家族が不仲なせいで契約が簡単に変更できなくなってしまうというのはかなり問題だということ。こういう契約や制度の不具合が、今後もう少し改善していくことを願っている。

プランの見直しと変更

さて、ここから怒涛の契約見直し攻勢が始まる!

我が家はテレビ・電話・インターネットがセットになったプランに入っていたのだが、まずそれらの契約を全部新しいものに変えた。

今まで契約していたプランは見れるテレビのチャンネルもレンタルされていた機材ももはや時代遅れのものだった。それもそのはず。もう10年近く契約を見直していなかった訳なのだから。なので新たなプランに入り直せばほぼ同じくらいの料金で格段に快適なサービスを利用できるようになる。これをやらない手はない。

この契約の見直しがきっかけとなり、我が家は他の様々なサービスもケーブルテレビ会社の1つのプランに集約させることにした。それは…

  • テレビ
  • 電話
  • インターネット
  • 電気
  • ガス
  • NHKの料金
  • Netflix
  • DAZN
  • 自転車保険

…などなど多岐に渡る。

固定費が1つのプランとして1つの会社で一括契約できるのはとても便利だ。たとえそれが顧客を囲い込む為の戦略であったとしても、利用するだけの価値は十分にあるプランだ。

そしてこの契約見直しのおかげで、遂に、我が家のインターネット回線はケーブルテレビ回線から光回線へと変更されることが決まった。やっとだ!!

*ジェイコムのネット回線には大きく分けて「従来型のケーブルテレビ回線を使うプラン」と「KDDIから借り受けた光回線を使うプラン」の二通りがある。なので我が家は別の会社に乗り換えるという選択はせずに、プランの変更という形でネットを光回線化する道を選んだ。

*ジェイコムというケーブルテレビ会社はKDDIの子会社なので、家に引き込まれる光回線はNTTのものではなくKDDIの光回線となる。

コロナ渦の工事

サラッと書いたが、この契約の変更はいろいろ大変だった。とにかく見積もりから始まり、テレビの工事、ネットの光回線引き込み工事、そしてそれをケーブルテレビ会社がアクティブにするための工事などなど、一連の工程が何週間もにもわたって立て続けに続いたのだ。工事に時間がかかるのはこのコロナ渦の東京では今や当たり前のこと。

見積もりのお兄さんが言うには「大きな変更があったので、これは電話じゃ無理でしたね。今日来れてよかったです。」とのことだった。これには私も激しく同意する。このコロナ渦にもかかわらず、可能な限りのスムーズな契約変更を実現してくれた見積もりのお兄さんには感謝しかない。

すごつよ光回線

で、無事すべての工事が終わると、ようやく諸悪の根源であるクソ雑魚回線から解放され、我ら兄弟にはすごつよ光回線との暮らしが待っていた。待ちに待った光回線! この喜びをどう表現したら良いだろうか!

新しくなったインターネット回線は契約上は5ギガプラン(5Gbps)ということになってる。信じられないくらいの爆速回線だ。

ただインターネットの世界で名目上の速度が完全に出るという事はほぼない。実際にどれくらいの速度が出るかは契約してみないと分からないのである。ベストエフォートサービスとはそういうものだ。さらに言えば、同じ回線でも利用時間や利用環境により速度はいくらでも変動する。そのことについては少し心配があったのは確かだが、それは杞憂であった。何度も計測してみても、実際にギガクラスの速度がコンスタントに出続けているのを確認できて、安堵した。さすが光回線!

今までのように回線そのものが止まるとか断線するということがなくなったのも嬉しいが、ケーブルテレビ会社から貸し出されたモデム兼Wi-Fiルーターがとても高性能なモノだったというのも嬉しい。

これに先ほど話した優秀なASUSのゲーミングルーターを子機として接続することで、1階と2階両方で高速な通信が可能になった。Wi-Fi規格もWi-Fi6に対応。Wi-Fi6というのはとても低いレイテンシーで、ほぼ遅延のない通信が出来るWi-Fiの最新規格である。その通信クオリティーは有線接続とほぼ同等であり、オンライン対戦ゲームを好む弟にも良い環境が手に入ったという訳だ。

とにかくどんなに回線に負荷をかけても大丈夫だし、複数人で大容量通信をしてもビクともしない。ゲームのダウンロードも、クラウドストレージも、ストリーミングも、Geforce NowやPS Nowといった最新サービスさえも、一切のもたつきなく動いてくれる。こんな高品質な回線を使ったのは生まれて初めてだ。

まさかここまでとは。大満足の成果である。

おわりに

インターネット回線が光回線に変わったことにより我が家の長年の懸案事項は無事解決できた。さまざまな試行錯誤と面倒な契約変更などなど、いろいろ大変な事はあったけど、これも1つの勉強だと思えば悪くなかったと思える。

ギガクラスの光回線を使ってみて思ったのは、もう100Mbpsしかでないような回線には戻りたくないという気持ちだった。もちろん100メガだって十分すぎるほど早い回線だ。それでも昨今のオンラインサービスの変化と、家庭内での複数人・複数端末での利用が日常化した今の状況を考えると、100メガでは不満が出るシーンというのも多々出てくるだろう。マンションでの共用光回線だとネットの増速がこれ以上不可能というところも多いと聞く。そう考えると、自分の家がたまたま戸建てで、光回線が引き込めたというのは、ラッキーだったとしか言いようがないように思う。