Press "Enter" to skip to content

不眠と認知行動療法

私は自分の不眠に対抗する為、認知行動療法を少しだけ取り入れている。寝れないと、様々な考えで頭がいっぱいになり、ますます寝れなくなる。そして、その時に考えている事というのは大抵の場合『自動思考』という状態に陥ってしまっている。以下、いくつか例を挙げてみよう。


誤った原因帰属

日中の不調やその日の気分の悪さなどをすべて不眠のせいにしがち。おそらく不調の原因は他にもあると思われるが、不眠以外の原因には目を向けない様にしてしまうという思考の仕方がこれ。不眠という現象に囚われ、なんでもかんでも不眠のせいにしてしまってはいけないのだ。

感情的決めつけ

気分が悪かったりする時に『こんな気分では寝れるはずがない!』などと、自分の気分や感情を基準に物事を判断してしまう思考の仕方がこれ。ハッキリ言って、最高の気分であろうと最悪の気分であろうと、寝れる時は寝れるモノ。気分や感情は物事の根拠にはならないという事だ。

全か無かの思考

『一晩中寝る』以外は『全く寝れない』と評価してしまいがち。全か無かで判断するのは大間違いで、物事には必ず中間がある筈なのだ。だから、安易に『昨日は全く寝れなかった…』などと考えて落ち込んではいけない。おそらく、いくらかは寝れてる筈なんだ。それでいいじゃないか。

破局化

ただ寝れないってだけなのに、頭の中では最悪のエピソードを想定しがち。『不眠で頭がおかしくなるのではないか?』とか『何か重大な病気なのでは?』などなど。寝れないと、寝れない夜が永遠に続く様な気がしてしまうが、実際は寝れる日もあれば寝れない日もある。ただそれだけの事。

ポジティブな側面の割引 & ネガティブな側面の割増

寝れた日の事を『運が良かっただけ』とか『寝れたけど時間が短かった』などと小さく見積もりがち。一方で寝れなかった日の事は『全然寝れなかった』とか『寝れなかった所為で一日中調子が悪かった』などと割増で解釈してしまう。これはよくある。

過度の一般化

『全然寝れなかったから今日はすべてが上手くいかない』などと『寝れなかった日』は『ダメな日』と単純に考えてしまいがち。熟睡できた日が必ずしも最高の一日になる訳ではない。逆もまた然り。あと『コーヒー飲んだから今日は寝れないな』とかもそう。必ずそうなる訳じゃない。

べき思考

『一日八時間はちゃんと寝るべきだ!』と、何々するべきだと一律で考えてしまいがち。人は寝れる日もあれば寝れない日もある。人間はロボットではないし、人生にはムラがあって当然。睡眠が一時間少なかっただけで何がどれだけ変わるというのか。多分、何もそんなに変わらない。


ここまで例を挙げてきて分かったと思うが、認知行動療法というのは『認知の歪みや癖を正す作業』なのである。自分が物事をいつも正しく認識しているとは限らない。何かに囚われたり、偏った事を考えてしまうと、どんどん沼にはまっていってしまう。不眠と闘うには、こういう知識も有効なのだ。

長くなってしまったので、この話はここまで…