Press "Enter" to skip to content

セミが鳴かない

私の住む街は東京の郊外で、緑も多く、以前は夏になるとセミがうるさいぐらいに鳴いていたものだ。けどここ数年はめっきりセミの数が減った。蝉の鳴き声は滅多に聞けなくなってしまった。

椎名林檎の歌に『蝉が喚いて夏の到来を知る』という情緒豊かな歌詞があるのだが、ほぼ引きこもりのような生活を送っている私にとって、これはとても共感できる歌詞だ。人というのは、世間とつながりのない隔離されたような生活を送っていると、季節感というのがだんだんと無くなっていく。そんな人間に夏の到来を知らせてくれる唯一とも言える存在がセミの鳴き声だった。これはそういう歌詞なのだろう。

なのに、今はそれすらも聴けなくなってしまったというのは、とても残念で、とても悲しいことだと思う。